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【完全ガイド】ペンタックス一眼レフの歴史を旅する物語|世界初を連発した名機から最新フィルムプロジェクトまで

「PENTAX」——。カメラ好きなら一度は耳にし、その独特の存在感に心を惹かれたことがあるのではないでしょうか。

もしかしたらあなたは、「友人が持っていたフィルムカメラが格好良かった」「写真撮影会で、味のある古い一眼レフを使っている人を見かけた」そんなきっかけで、ペンタックスの歴史に興味を持ったのかもしれませんね。

この記事は、単なる年表の解説ではありません。

ペンタックスが紡いできた「世界初」の連続、開発者たちの情熱、そして時代を超えて愛される理由を巡る旅にご案内します。この物語を読み終える頃には、あなたのカメラライフが何倍も豊かになり、次の一台がきっと見つかるはずです。

目次

なぜ今、ペンタックスの歴史を知るとカメラがもっと楽しくなるのか?

ただ古い話を知るだけではありません。ペンタックスの歴史を知ることには、あなたの「今」のカメラライフを豊かにする3つの大きなメリットがあります。

“世界初”の連続!技術革新の物語に触れる興奮

今では当たり前の「一眼レフを覗くと、見たままの像が見える」ことや「カメラが自動で明るさを測ってくれる」機能。実はその多くは、ペンタックスが世界で初めて実現したものです。歴史を紐解くことは、先人たちの創意工夫と技術革新の物語に触れることであり、手にしたカメラへの愛着を一層深めてくれます。

愛され続ける理由がわかる!ペンタックス独自のカメラ哲学

ペンタックスは、常に「ユーザー」の側に立ち、小型で堅牢、そして何よりも「撮る楽しさ」を追求してきました。スペック競争が激化する現代においても、その哲学は変わりません。歴史を知ることで、なぜ多くのファンがペンタックスを愛し続けるのか、その本質的な理由が見えてきます。

歴代の名機を知れば、今のカメラ選びの基準が変わる

ペンタックスの歴史は、数々の「名機」によって彩られています。それぞれのカメラがどんな時代に生まれ、どんな特徴を持っていたのかを知ることは、あなたのカメラ選びに新たな視点を与えてくれます。「最新機種がベスト」という考え方だけでなく、「この時代の写りが好きだから」という、もっと味わい深いカメラ選びができるようになるのです。

ペンタックス一眼レフの夜明け前|すべては「旭光学工業」から始まった

ペンタックスの物語は、100年以上前の日本に遡ります。その原点は、カメラではなくレンズ作りにありました。

1919年創業、レンズ研磨から始まった技術屋魂

1919年、東京の大塚で「旭光学工業合資会社」が設立されました。当初は眼鏡用レンズを製造していましたが、やがてその高い技術力が認められ、映画用映写機のレンズなどを手がけるようになります。この「光学(ひかり)の技術」への深いこだわりこそが、後に世界を驚かせるカメラを生み出す礎となったのです。

日本初の一眼レフ「アサヒフレックス」誕生秘話

第二次世界大戦後、日本はカメラブームに沸きます。その中で旭光学工業は、来るべき時代を見据え、まだ誰も挑戦していなかった国産初の35mmフィルム一眼レフカメラの開発を決意。そして1952年、記念すべき第一号機「アサヒフレックスI型」が誕生します。

当時のカメラは、撮影用レンズとファインダー(覗き窓)が別々の「レンジファインダーカメラ」が主流でした。しかし一眼レフは、撮影するレンズを通った像を直接見ることができるため、ピントや構図の精度が格段に高い画期的なシステムでした。アサヒフレックスの登場は、日本のカメラ史における大きな一歩となったのです。

世界を驚かせた革命児たち!ペンタックス黄金時代の名機列伝

アサヒフレックスで産声を上げたペンタックスの一眼レフは、ここから世界標準となる革新的な機能を次々と生み出し、黄金時代を迎えます。

【1957年】一眼レフの”標準”を作った「アサヒペンタックス(AP)」

それまでの海外製一眼レフは、ファインダーを覗くと像が左右反転して見えるのが当たり前でした。これを解決したのが、屋根型の5角形(ペンタゴナル)のプリズム、「ペンタプリズム」です。

1957年に発売された「アサヒペンタックス(AP型)」は、世界で初めてこのペンタプリズムを搭載し、ファインダー内で「正立正像(見たままの像)」を実現。これが「PENTAX」ブランドの名の由来にもなりました。この発明により、一眼レフの操作性は飛躍的に向上し、現在のデジタル一眼レフに至るまで続く「標準」を確立したのです。

【1964年】世界初のTTL測光!不朽の名作「PENTAX SP」

写真の明るさを決める「露出」。かつては勘や経験、あるいは独立した露出計が必要でした。この常識を覆したのが、1964年に登場した「ペンタックス SP(SPOTMATIC)」です。

SPは、レンズを通ってきた光(Through-the-Lens)をカメラ内部で測定する「TTL測光」を世界で初めて実用化しました。これにより、誰でも簡単に適正な明るさの写真を撮れるようになり、カメラは専門家のもから一気に大衆のものへと広がりました。SPは世界的な大ベストセラーとなり、今なお「フィルムカメラの完成形」として愛され続ける不朽の名機です。

【1975年】今も続く伝説の始まり「Kマウント」と名機「K2」

カメラメーカー各社が独自のレンズマウント(レンズをボディに取り付ける規格)を採用し、ユーザーが不便を感じていた時代。ペンタックスは、それまで採用していた「M42マウント(プラクチカマウント)」の限界を感じ、新たなマウントシステムを開発します。

それが1975年に登場した「Kマウント」です。バヨネット式で着脱が素早く確実なKマウントは、基本設計を変えることなく自動絞りやオートフォーカス、デジタル対応と進化を続け、現在に至るまで半世紀近くも採用され続けています。 この年に登場した最高級機「K2」を筆頭に、「Kシリーズ」はペンタックスの新たな時代を築きました。

激動の時代を乗り越えて|AF化、そしてデジタル一眼レフへ

1980年代に入ると、カメラ業界はオートフォーカス(AF)化と電子化の大きな波に洗われます。ペンタックスもまた、この激動の時代を乗り越え、新たな挑戦を続けていきました。

オートフォーカス(AF)への挑戦と「SFX」の登場

他社からやや遅れを取ったものの、ペンタックスは1987年に初の本格的なAF一眼レフ「SFX」を発売。ボディ内にストロボを内蔵するなど、独自のアイデアでAF時代に対応していきます。この時期の試行錯誤が、後のデジタル時代への礎となりました。

小さな巨人「*ist D」で切り拓いたデジタル時代

2000年代に入り、カメラ市場の主役はフィルムからデジタルへと急速に移行します。ペンタックスは2003年、満を持して初のデジタル一眼レフ「PENTAX *ist D(イストディー)」を発売。当時としては世界最小・最軽量クラスのボディに、過去のKマウントレンズがほぼ全て使える互換性を両立させ、多くのペンタックスファンを熱狂させました。

リコーとの融合、そして未来へ受け継がれるDNA

その後、HOYAとの経営統合を経て、2011年にペンタックスのカメラ事業は事務機や光学機器メーカーである「リコー」に引き継がれ、現在の「リコーイメージング」となりました。メーカーは変わっても、小型軽量へのこだわり、ユーザーに寄り添う姿勢、そしてKマウントという大切な資産は、今も脈々と受け継がれています。

【初心者向け】歴史を感じるペンタックス、最初の一台の選び方

この魅力的な歴史に触れて、「自分もペンタックスのカメラを使ってみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか。ここでは初心者の方向けに、最初の一台の選び方をご紹介します。

準備編:後悔しない!中古フィルムカメラ購入時のチェックリスト

古いカメラは個体差が大きいもの。購入前には必ず以下の点をチェックしましょう。

  • ファインダーのチェック: 覗いてみて、大きなホコリやカビ、プリズムの腐食(黒い線やシミ)がないか確認します。
  • シャッターの動作確認: シャッターが全速で切れるか、低速シャッターで粘り(シャッター幕がゆっくり戻る現象)がないか確認します。
  • レンズの状態: 強い光を当てて、レンズ内にカビやクモリ、大きなホコリがないか確認します。
  • 露出計の動作確認(SPなど): 搭載モデルの場合、明るい場所と暗い場所で針が振れるか確認しましょう。(精度は保証されないことが多いです)

実践編:最初の一台におすすめの歴史的モデル3選

  1. PENTAX SP: まさに「キング・オブ・フィルムカメラ」。機械式なので電池がなくても撮影でき、シンプルな操作性で写真の基本を学べます。個体数も多く、比較的安価で手に入りやすいのも魅力です。
  2. PENTAX K2 / KX / KM: Kマウント最初のシリーズ。SPより近代的な作りで、より安定した操作感が得られます。特にKXやKMは、基本的な機能が詰まっており、機械式カメラの入門機として最適です。
  3. PENTAX *ist D: 「デジタルの名機」から始めるのも一興です。中古価格も手頃で、オールドレンズの写りをデジタルで手軽に楽しめます。CCDセンサーが描き出す独特の色乗りは、今のカメラにはない魅力があります。

知っておきたい!ペンタックス選びで初心者が陥りがちな失敗例

歴史あるカメラだからこそ、いくつか注意点があります。失敗を避けて、楽しいペンタックスライフを始めましょう。

NG行動①:マウントの違いを理解せずにレンズを買ってしまう

ペンタックスの歴史には、大きく分けて「M42マウント(SPなど)」と「Kマウント(Kシリーズ以降)」があります。これらは直接の互換性はありません。自分のカメラがどちらのマウントかを確認し、それに合ったレンズを選ぶか、マウントアダプターを使いましょう。

NG行動②:いきなりマニアックな機種に手を出して挫折する

中判カメラの「ペンタックス67」や、初期の「アサヒフレックス」など、非常に魅力的ながら操作にクセのあるモデルも存在します。まずはSPやKシリーズなど、基本的な操作が確立されたモデルから始めるのが、挫折しないための近道です。

NG行動③:保管方法を間違えてカビやクモリを発生させてしまう

古いカメラとレンズにとって、湿気は大敵です。撮影から帰ったら、カメラバッグに入れっぱなしにせず、風通しの良い場所に置いたり、防湿庫やドライボックスで保管したりする習慣をつけましょう。これだけで、カメラの寿命は大きく変わります。

ペンタックスの歴史は終わらない!未来へ続く新たな挑戦

ペンタックスの物語は、過去のものではありません。現在、そして未来へと続いています。

一眼レフの灯を消さない!現行Kシリーズの魅力とは

ミラーレスカメラが全盛の今、ペンタックスは「一眼レフ」を作り続けることを宣言しています。光学ファインダーを覗いて被写体と向き合う楽しさ、過酷な環境でも撮影を続けられる防塵防滴性能、小型で力強いデザイン。最新の「PENTAX K-3 Mark III」などは、まさにペンタックスの歴史と哲学の集大成と言えるモデルです。

カメラファンの心を躍らせる「フィルムカメラプロジェクト」の全貌

そして2022年、ペンタックスは「フィルムカメラプロジェクト」の発足を発表しました。これは、フィルムカメラの製造技術を次世代に継承し、新たにフィルムカメラを開発・発売しようという、前代未聞の挑戦です。デジタル時代にあえてフィルムの魅力を問い直すこのプロジェクトは、世界中のカメラファンから大きな期待と注目を集めています。

よくある質問(FAQ)

最後に、ペンタックスの歴史について調べる中で浮かんでくる疑問にお答えします。

Q. ペンタックスって、どこの国のメーカーですか?

A. 日本のメーカーです。 1919年に旭光学工業として東京で創業し、現在は株式会社リコーの子会社であるリコーイメージング株式会社がブランドを継承しています。

Q. ペンタックスのカメラの一番の強みは何ですか?

A. 一言で言えば「撮るプロセスをとことん楽しめる実直なカメラ」であることです。具体的には、見やすく疲れない光学ファインダー、厳しい自然環境にも耐える堅牢なボディ、そして過去の膨大なレンズ資産を活かせるKマウントなどが強みとして挙げられます。

Q. 今でも新品のペンタックス一眼レフは買えますか?

A. はい、購入できます。 フラッグシップ機の「K-3 Mark III」やフルサイズ機の「K-1 Mark II」、エントリー向けの「KF」など、複数のデジタル一眼レフカメラが現行モデルとして販売されています。

Q. 古いKマウントレンズは、最新のデジタル一眼レフでも使えますか?

A. はい、ほとんどのレンズが使用可能です。 これがKマウントの最大の魅力の一つです。一部機能に制限(AFが使えないなど)はありますが、マウントアダプターなしで装着し、撮影することができます。半世紀前のレンズを最新のデジタルボディで楽しむ、といった時空を超えた体験が可能です。

まとめ:ペンタックスの歴史という物語を、あなたの手に

ペンタックスの一眼レフの歴史は、単なる機材の進化の記録ではありません。それは、「いかにして人々が写真を撮る喜びを深めるか」という、開発者たちの絶え間ない挑戦と情熱の物語です。

世界初の技術に胸を躍らせ、不朽の名機の哲学に触れ、そして今も続く未来への挑戦を知った今、あなたの目には「PENTAX」というロゴが、以前とは少し違って見えているはずです。

ぜひ、次のお休みには中古カメラ店を覗いてみてください。そこに佇む一台のペンタックスが、あなたを新たな写真の世界へと誘う、最高のパートナーになるかもしれません。

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